特にこれといって理由がないのに気分が冴えなかったり、落ち込んでしまうなんてことはありませんか?それはもしかすると、あなたの食生活が関係しているかもしれません。精製された炭水化物(パン、ケーキ、菓子類、クッキー、ベークルなど)は美肌と健康の維持を邪魔し、美しく歳を重ねることを妨げるということをご存知でしょうか。今年6月に発表された研究(出典1)では、精製された炭水化物と砂糖の過剰摂取が、女性のうつ病罹患率までを約23%も高めることが明らかになりました。
精製された炭水化物は、体内に入るとすぐに糖分に分解され、血中に吸収されます。すると、血糖値が急上昇するため、その血糖値を下げようとホルモンの一種であるインスリンが分泌され、今度は血糖値が急降下します。この血糖値の乱高下のプロセスがうつ症状を引き起こす原因にもなるのです。
精製された炭水化物を多く含む食品は高GI値です。GI値とは、食品の食後血糖値の上昇度合いを0~100の値で示す指標のことです。GI値の高い食品は、特に他の食品と一緒に食べずにそれだけで食べたり、頻繁に摂ることにより、それが高血糖値の原因となってしまいます。例えば、ジャム付きのトーストやバゲット、または空腹時にベーグルを食べると、その精製された炭水化物が体内ですぐに糖分に分解され、血糖値が一気に上がってしまいます。
7万人以上の女性の食生活(GI値と摂取した炭水化物の種類)とうつ症状を調査した結果、高GI値で、かつ、加糖・精製された穀物を摂っていた被験者はうつ病罹患率が高く、逆に、食物繊維や全粒穀物、野菜や果物などを摂取していた被験者のうつ病罹患率は低いことが判りました。この研究者たちは、精製された食品が体内で血糖値を急激に下げるホルモン反応を引き起こし、この反応が引き金となって気分のムラや気怠感、その他のうつ症状を悪化させるのだと結論づけています。
主要栄養素の一つである炭水化物は、身体のエネルギー源でもあり私たちにとって必要不可欠なものなので、すべての炭水化物を避ける必要はありません。ただ、精製された白い炭水化物に注意をするようにしてください。そこで、みなさんのために分かりやすく「良い炭水化物」と「悪い炭水化物」を下記のようにまとめてみました。
悪い炭水化物:
* ほとんどのパン(ドイツパンのライ麦パンと黒パンは除く)
* ケーキやタルトなどの洋菓子
* ベーグル
* クッキーやマフィン
* 菓子パン(メロンパンなど)
* ポテトチップス、トルティーヤチップス
* 加糖ヨーグルト、低脂肪ヨーグルト
* 炭酸飲料、ジュース
* プリン
* 飴、精製され砂糖が使われている菓子類
良い炭水化物:
* 全粒米、玄米
* オーツ麦、オーツ麦ふすま
* キヌア
* そば粉、玄米粉、大豆粉、ソルガム粉
* 豆類(エンドウ豆、レンズ豆など)
* さつまいも
ちなみに、日本人にとっての主食である白米のGI値も高くはあるのですが、通常お味噌汁や焼き魚、納豆や豆腐、野菜や卵焼きなどの低GI値の食品と一緒に食べられるため、食事全体で考えるとGI値が低くなり、血糖値の上昇も緩やかになります。しかし、パンは、糖の吸収を緩やかにしてくれるたんぱく質や食物繊維、良い脂肪等を含まず、パン単体で食べられることが多いため、血糖値が急上昇する傾向があると言えます。
精製された炭水化物を多く含む食品は、美肌の最大の敵であるだけではなく、気分の浮き沈みにも影響を及ぼすということを是非知っておきましょう。
Lots of Love, Erica
(出典1): Gangwisch J, et al., “High Glycemic Index Diet as a Risk Factor for Depression: Analyses from the Women’s Health Initiative,” The American Journal of Clinical Nutrition, June 2015, doi: 10.3945/ ajcn.114.103846
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