日本は、世界各国と比べて、一人当たりの果物の消費量が低く、なんと先進国(OECD加盟国34か国)中、ワースト3位にランクしています。(出典1)日本人女性の多くは、果糖を多く含む果物はダイエットの敵だと思っているようですが、それは大きな間違いなのです!
確かに、果物には果糖が含まれています。「糖」という文字が含まれているので、誤解されがちですが、実は血糖値を上昇させることはありません。それどころか、少量の果物を毎日摂取することで、脳卒中や心臓病を予防することができるのです。また、肌を美しく保つ効果も期待できます。
脳卒中や心臓発作は、日本人の死因ワースト上位に入っています。しかしそれがたった約100gの果物を毎日摂ることで、その発症リスクを33%以上も抑えられることが、今年4月に発表されたイギリスオックスフォード大学の研究(出典2)によって明らかになりました。この研究は、中国の10の地域に住む30歳から79歳までの健康な成人男女、50万人を対象に、7年以上かけて行われました。研究開始時に、心臓病の病歴、または降圧薬使用歴がない人たちを被験対象としています。被験男女、居住地域に関係なく類似した結果が得られたそうです。
では、なぜ果物にそのような素晴らしい効果があるのでしょうか。果物は、血圧を正常に保つのに必要なカリウム、その他にもミネラル、食物繊維、ビタミンCなどのビタミン類、抗酸化物質、数え切れないほどのフィトケミカルを豊富に含みます。さらに、果物に含まれるフラボノイド・カロテン・ポリフェノールなどの特別な植物化学物質は強力な抗酸化物質であり、かなりの抗炎症効果があります。これらのフィトケミカルは、私たちの肌や身体を美しく健康に保ち、様々な病気を予防する役割も担ってくれるのです。
さて、気になる果物に含まれる果糖ですが、下記のリストの通り果物のGI値はかなり低く、新鮮な果物(皮を含む)は、パン・クッキー・ケーキ・ドーナツ・ベーグル・白砂糖・お菓子などのように血糖値を急上昇させることはありません。なぜなら果物には、食物繊維が豊富に含まれており、血糖の吸収をゆるやかにする働きがあるからです。ただし食物繊維が除かれてしまうフルーツジュースには、残念ながらこの効果は望めないので、朝食前や空腹時にフルーツジュースを飲むのはお勧めできません。
最後に、もっと多くの果物を日々の食事に取り入れられる、手軽な食べ方をいくつかご紹介しましょう。朝食に、季節の果物とナッツをプレーンヨーグルトにトッピングしたり、スライスした果物をグラノーラの上にのせて無調整豆乳またはアーモンドミルクをかけて召し上がってみてはいかがしょうか。午後のティータイムには、冷凍のオーガニックブルーベリーやイチゴをスムージーに加えたものや、スライスしたりんごに無添加のピーナッツバターを塗ったり、焼きりんごなども、とても美味しいですよ。夏には、好きな果物をまるごと使ったシャーベットを作ってみるのもお勧めです。
果物が持つ多様な色には、それぞれ異なるフィトケミカルが含まれています。その中に存在する強力な抗酸化物質の力で、あなたの肌はより艶やに輝き、守られ、健康を維持できることでしょう。手軽なバナナをそのまま食べるのも結構ですが、カラフルでバラエティに富んだ種々の果物を楽しんでみましょう。
Lots of Love, Erica
(出典1) : http://goo.gl/VVSCwz
(出典2):Du, H., Bian, Z., Bennett, D., Chen, J., Chen, Y., Chen, Z., . . . Wang, S. (2016). Fresh fruit consumption and major cardiovascular disease in China. N Engl J Med, 374: 1332-1343. DOI: 10.1056/NEJMoa1501451
*食品100g当たりのGI値リスト*
ラズベリー 21
すだち 27
ゆず 28
苺 29
オレンジ 31
グレープフルーツ 31
夏みかん 31
びわ 32
梨 32
いよかん 33
みかん 33
ブルーベリー 34
プルーン 50
レモン 34
キウイ 35
いちじく 36
りんご 36
洋梨 36
さくらんぼ 37
ざくろ 37
柿 37
アメリカンチェリー 39
プルーン(乾燥) 41
メロン 41
桃 41
デラウェア 47
マスカット 48
マンゴー 49
ぶどう 50
巨峰 50
バナナ 55
スイカ 60
パイナップル 65
菓子類やケーキ類のGI値、または、高GI値ついては、過去の投稿をご参照ください。(https://goo.gl/MdMsKv)
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