デスク上が本や雑誌、書類やファイルなどで埋め尽くされていたり、よく掃除をしているはずなのに家の中が物に溢れ、すぐに探し物が見つからないなどという経験はありませんか?色んなものが山積みになるなど、散らかった状態にストレスを感じているという方、そう感じているのはあなただけではありません!
最近の研究論文(出典1)によると、大抵の人の家の中は物に埋め尽くされていて、このような状態に直面すると、特に女性のストレスホルモン値(中でも老化につながるコルチゾール)が急上昇し、さらにはうつ状態にもつながるということです。家の中が、新聞や雑誌、写真や書類、何年も着ていない洋服やカバン類、おもちゃや箱類、CDやDVDなどで溢れ返り、ありとあらゆるスペースに物が置きっぱなしになって散らかった状態は、私たちのストレスの大きな原因になりうるのです。この研究によると、より多くの物をため込む事により幸福感は減少し、逆にストレスが増大する可能性があることが分かりました。また、家の中は整理整頓されたリラックスの場だと感じている女性のストレス値は、家が片付いていない人に比べて低いことが分かりました。
では、物が溢れて散らかった状態がどのようにしてストレスにつながるのでしょうか。
・ 心身ともにリラックスした状態になりにくくなる
・ 私たちが集中すべきことから注意をそらしてしまう
・ 脳に常に仕事が終わっていないという信号を送ってしまう
・ 山積みになっている物の下にいつになったら到達するのか分からないという不安に駆られる
・ もっと整理整頓がされた状態でないと友人や家族が家や職場に来た時にみっともないという恥ずかしさや罪悪感につながる
・ 必要なもの(例えば、山積みの紙類に埋もれたファイルや、山積みの物の中に埋もれてしまった鍵など)をすぐに見つけられず、私たちをイライラした気持ちにさせる
普段から不要なものを捨てるように心掛けたり、年末以外にも大掃除を決行したりすることによってストレスが減り、精神の安定や集中力のアップにつながります。風水でも、散らかった状態はポジティブなエネルギーを吸い取ってしまうと言われています。物が溢れた家は、安らぎの場になるどころか、そのことがストレスになります。既にストレスを感じている場合は、イライラや疲労の度合いをさらに悪化させてしまうことになります。大掃除をすることによって、ストレス値を下げるだけでなく、気持ちの整理整頓にもつながります。
それでは、どうすればいいのでしょうか。まずはしっかり掃除の対象を決めて(部屋ごと、種類別など)、片づけを始めるようにしましょう。どこから手を付けていいか分からなかったり、げんなりしたりすることもあるでしょう。一度にすべてやろうとせず、何週かの週末に分けて、それぞれ数時間、少しずつ片付けるのがよいと思います。片付けに関する本もたくさん出版されているのでそれを参考にするのもいいかもしれません。
私がとても役に立ったと思う点をいくつかご紹介します。
片付けを始める前に「もしこれが全て明日なくなったら、本当に困るものは何か」ということを、自分に問いかけてみましょう。だいたいの場合、その答えは短いリストにおさまります。それが終わったら、ポストイットなどを使って捨てない物をリストアップし、仕分けをするようにしましょう。
そして、まずは寝室のクローゼットから始めることをおすすめします。そうすれば、毎朝、ストレスが少ない状態で1日を始めることができるでしょう。それから毎日必ず使うバスルーム、キッチン、洗面所に手をつけ、その後、他の場所に移るようにしましょう。
使わないものや不要なものは処分して、それ以外のものはリサイクルに出したり、寄付するのもいいでしょう。
たまにしか使わないものは箱に日付を書いて、しまいましょう。もしその箱を1年経っても開けていない場合は、例外を除いては、その箱の中身はきっとあなたにとって必要のないものでしょう。
また、楽しみながら片付けをするのが重要です。大好きな音楽を聴きながら片付けをしたり、家族と一緒に整理するのもいいかもしれません。無事に整理整頓を終えた際には、自分に何かご褒美をあげることを計画するのも楽しいですね!
春は片付けや整理をするのにもってこいの時期です。実際、英語では大掃除のことを“Spring Cleaning(春の大掃除)”というのです。私はすぐに物が見つかる、きちんと整理整頓された家が大好きで、忙しい時こそ整理整頓をすることが重要だと感じています。努力の甲斐があるだけでなく、終わった時には本当に充実した気持ちになります。そして、その状態を維持する事もとても大切です。
「家の中に有益でない物、または美しいと思わない物は置かない」
私はいつもこの言葉を念頭において、すっきり整理整頓された部屋作りを心がけています!
Lots of Love, Erica
(出典1) Saxbe, D. E. et al., “No Place Like Home: Home Tours Correlate With Daily Patterns of Mood and Cortisol”, Personality and Social Psychology Bulletin, 2010, no. 36. Vol. 1, pp: 71-81.
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