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    ピルで乳がん・うつ発症のリスクが上昇する?! 貴方の身体を守る為に知っておいて欲しいこと。

    ピルで乳がん・うつ発症のリスクが上昇する?! 貴方の身体を守る為に知っておいて欲しいこと。

    フランス41%、ドイツ37%、イギリス28%、USA16%、そして日本1%。何についての数値だと思われますか?これは、2013年度の国連人口部によって発表されたピル(経口避妊薬)の服用率の統計数値です。他国に比べると日本の服用率はひときわ低いことがわかります。この理由の一つとして、日本で承認されたのが1999年で、アメリカに比べて25年も遅れての許可となったことが挙げられます。 (ご参考までに、ピルは1951年にメキシコでプロゲステロン薬が開発され、1954年にアメリカ・マサチューセッツ州で50名の女性被験者での臨床試験実施。その後1960年5月に“経口避妊薬ENOVID”としてFDA(アメリカ食品医薬品局)に承認されました。)

    日本は他国に比べると服用率は低いですが、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、重い生理痛等々で婦人科で診断を受けた患者に対して、ピルが処方されることが多くなってきています。もちろん、女性が能動的に避妊できる有効な薬ではあります。ですが、本日はピルについてぜひ知っておいていただきたいことについてお話したいと思います。

    1960年代以降も研究開発は続けられているピルですが、現段階ではピルは安全性の高い薬とは言えないと考えています。

    最新の研究(出典1)によると、現在ピル服用中または最近服用した女性は、乳がん発症リスクが約20%上昇することが判りました。その服用期間が長ければ長いほどリスクは高まることも明らかになっています。リスクがどの程度高まるかというと、服用が1年以内の場合の発症リスクは9%なのですが、それが10年またはそれ以上となるとリスクは一気に38%に上昇するということが判明したのです。この研究はデンマークで行われたのですが、すべての処方の記録をしっかりと参照し、避妊薬と乳がんの関連性を厳密に詳細に調べ研究は進められました。ピル(経口避妊薬)だけでなく、ホルモンを使用している全ての避妊薬(パッチ、膣リング、ホルモン放出IUD、モーニングアフターピル(緊急避妊)等々)も調査しました。結果、ピルとホルモン避妊薬全ての服用でそのリスクが上昇することが判明したのです。(ホルモンを使用していない避妊薬についてはこの結果には該当しません)

    また以前の研究(出典2)でも、ピル服用による乳がんと血栓症発症リスクが上昇するということが確認されています。それ以外にも、子宮頸がん発症のリスクが高くなることも知られています。

    また、ピルの副作用は身体のみならずメンタルへも影響を及ぼすことが、100万人の被験者を対象に19年間にも渡る期間追跡調査を行なった大規模な研究(出典3)によって明らかにされました。ホルモン避妊薬の使用と自殺者・自殺未遂者増加:ピル服用とうつ症状との関連性が証明されたのです。

    その結果はショッキングなものでした。とりわけ10代女性の結果は驚きを隠せません。15〜19歳の女性で経口避妊薬を服用すると、うつ病を発症する可能性が80%高まることが判明(うつ状態:抗うつ薬の服用を開始した、または医師にうつ病と診断された人)。プロゲスチンのみ(1つのホルモンのみ含むもの)の避妊法をとった人は、うつ病発症する可能性が2倍以上になることが判りました。成人の女性(この研究の平均年齢は24.4歳)の結果は、10代の結果に比べると高い数値ではありませんでしたが、それでもピルを服用している人がうつ病と診断される可能性は23%高まり、プロゲスチンのみの薬を使用する人は、34%高くなることが判りました。

    なぜこのように高い確率でうつ病の発症が起こるのでしょうか?ピルの服用によって、葉酸、ビタミンB2、ビタミンB6、B12、ビタミンC、およびビタミンE、またミネラルマグネシウム、セレン、および亜鉛の欠乏が起こることが、研究(出典4)によって判っています。このように様々な必要栄養分の欠乏はうつ病発症の要因の一つと考えられます。

    もちろん、うつ病や乳がんなどの発症は、生活習慣や環境など様々な要因が関わっているわけですが、それでも自分自身の選択である”ピルの服用を控えること”で、発症要因を一つ取り除くことが可能になるのです。

    薬に頼らずとも食事とライフスタイルを通してホルモンバランスを調整する方法については、別の機会にお伝えしたいと思います。本当に必要な場合を除いて、ピルの服用は極力控えることをお勧めします。

    かけがえのない大切なあなたの心身の健康の為に。

    Lots of Love, Erica

    出典1:Mørch, Lina & W. Skovlund, Charlotte & C. Hannaford, Philip & Iversen, Lisa & Fielding, Shona & Lidegaard, Øjvind. (2018). Contemporary Hormonal Contraception and the Risk of Breast Cancer. New England Journal of Medicine. 377. 2228-2239. 10.1056/NEJMoa1700732.

    出典2 :Soroush, A., Farshchian, N., Komasi, S., Izadi, N., Amirifard, N., & Shahmohammadi, A. (2016). The Role of Oral Contraceptive Pills on Increased Risk of Breast Cancer in Iranian Populations: A Meta-analysis. Journal of Cancer Prevention, 21(4), 294–301. http://doi.org/10.15430/JCP.2016.21.4.294

    出典3: Skovlund CW, Mørch LS, Kessing LV, Lidegaard Ø. Association of Hormonal Contraception With Depression. JAMA Psychiatry. 2016;73(11):1154–1162. doi:10.1001/jamapsychiatry.2016.2387

    出典4: Palmery, M., et al., (2013). Oral contraceptives and changes in nutritional requirements. European Review for Medical and Parmacological Sciences, vo. 17, pp: 1804-1813.

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