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    日常に埋もれた素敵な出来事を、10秒間、全身全霊で味わう。 不安なニュースが溢れる今、注目される脳トレーニング。

    日常に埋もれた素敵な出来事を、10秒間、全身全霊で味わう。 不安なニュースが溢れる今、注目される脳トレーニング。

    Facebookや著書でも何度かお伝えしてきましたが、私たちの脳は自然とネガティブなことに気づき、感情を引っ張られる傾向があります。それはサバイバルスキルとして進化した結果なのです。ですので、私たちの脳は日常的に悪いニュースを探し、見つけると、頭の中はその悪いニュースで占拠されてしまいます。これがネガティブバイアズと呼ばれるものです。世界的パンデミックに見舞われ中々出口が見通せない今、ポジティブ思考をキープし続けるのは、至難の技でしょう。

    ですが、実は私たちは、ネガティブなループを抜け出す能力も持ち合わせており、脳をポジティブ思考に再配線することが可能なのです!ポジティブで幸福感に満ちた思考は、日々のトレーニングによって習得することが可能です。アスリートが毎日トレーニングを積み重ねるのと似ていますね。

    脳をポジティブ思考にするためのトレーニングはいろいろとあるのですが、本日はその中でも至ってシンプルな方法をご紹介いたしましょう。ポイントは、何か素敵なことが起こったら、そのことだけにフォーカスして、とにかく夢中で心の底から、体いっぱいにその”素敵なこと”を味わってください。

    生活の中にある小さなことで良いのです。例えば、美しいお花の香りを嗅ぐ時も、ゆっくりと吸い込んで匂ってください。愛するペットや子供の匂いでも同じことです。あなたが好きな香りを、ゆっくりと胸いっぱいに吸い込んでみましょう。美しい夕陽を、感謝しながら落ち着いてじっくりと眺めてみたり、大好きなチョコレートを目を閉じてじっくりと味わってみてみたり、、、。

    あなたをポジティブな感情に向けてくれるものに、集中してしっかりと感じて味わうのです。そうすることによってあなたの脳はポジティブ思考を強化する新しい経路を作り出します。このポジティブなものに10秒間集中してみて下さい。するとこの経験を脳は短期記憶から長期記憶へと移行するのです。至ってシンプルなのですが、ポジティブなことに意識的に注意を払い少しでも時間を費やすことによって、神経路トレーニングをしているのです。生活の中のポジティブな側面へ目を向けるようにする練習を重ねれば、ネガティブにフォーカスする脳の本来の傾向にも、打ち勝つことが可能になります。

    外国語を学ぶステップに似ているかもしれません。学び初めはとてもぎこちなく難しいですが、学び続ければ徐々に慣れてきますね。変化はコツコツと積み重ねによって得られるものです。一晩でがらっと変わることはありません。貯金箱と同じで、少額でも毎日続ければいつか目標額に達成することができます。

    ネガティブからポジティブな方向へ脳を再配線するこの手法は「神経可塑性」と呼ばれています。脳は経験から学び、変化できるものである、という考え方ですね。近年、注目され研究が盛んになっているテーマです。マインドフルネスや瞑想を習慣的に行うことで、脳の「可塑性」に影響することが分かっています。(出典1) マインドフルネスや瞑想は、学習、記憶、感情にとって重要な脳の海馬の灰白質を増加させ、逆に、ストレスや不安感に関連する扁桃体の灰白質を縮小させることも分かっています。

    私たちは、「幸せ」はもう少し進んだ先にあるのだろうと思い込みがちですが、今自分のいる場所に目を向け、その中にある素敵なことに気付き、喜びを見つけるべきなのかもしれません。ぜひこの脳の「可塑性」を味方につけて、毎日をできるだけポジティブに過ごしていただければと思います。

    Lots of Love, Erica

    出典1:Britta K. Hölzel, James Carmody, Mark Vangel, Christina Congleton, Sita M. Yerramsetti, Tim Gard, Sara W. Lazar. Mindfulness practice leads to increases in regional brain gray matter density. Psychiatry Research: Neuroimaging, 2011; 191 (1): 36 DOI: 10.1016/j.pscychresns.2010.08.006

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