私の近著「最強でエレガントな免疫を作る100のレッスン」でもご紹介していますが、健康な免疫システムにとってビタミンDは大変重要な役割を担っています。ビタミンDがあらゆる風邪の諸症状・インフルエンザ・新型コロナウイルス等に対して、高い感染予防効果を持つことは、効果多くの研究が証明済みです。
ビタミンDは、日光浴や良質の脂肪の多い魚(サバやサーモン)を食することで取り入れることが可能です。しかし、異性化糖を大量に摂取してしまうと、体内のビタミンD値は減少し、最終的には免疫力の低下を引き起こす可能性があることが研究(出典1)で明らかになっています。異性化糖は、トウモロコシやジャガイモ、サツマイモのでんぷんを原料に作られた液体状の甘味料です。英語で言うとHigh Fructose Corn Syrup(ハイフルクトースコーンシロップ)で、HFCSと略されます。日本語で「異性化糖」と言われても聞き馴染みがないかもしれませんが、日本では原材料欄でブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、高果糖液糖などの名称で表示されることが多いです。異性化糖は人工甘味料ではないのですが、こちらもかなりの曲者です。
今年発表された最新の研究(出典2)では、異性化糖の摂取によって、免疫システムの炎症を引き起こすことが判りました。これは異性化糖が炎症促進物質を体内に放出する為、免疫システムが過剰反応してしまうからなのだそうです。
さらに、腸内細菌叢にも悪影響を与えることが別の研究(出典3)で判っています。炎症と腸内細菌叢バランスの不均衡は、健康な免疫システムにとって敵であり、また、美しい肌を保つことそしてエイジンググレースフリー(穏やかに優雅にゆっくりと自分らしく老化を受け入れる様、アンチエイジングとは異なる最近の欧米に広がっている考え方)を阻害する大きな要因です。
何が問題かというと、異性化糖がとにかく多くの食品に潜んでいうことなのです!みなさんご存知の通り炭酸飲料やジュースなどのソフトドリンクを筆頭に、アルコール缶ドリンク、甘く味付けされたヨーグルトやヨーグルトドリンク、ケチャップやソース、クラッカー、パン、缶詰または瓶詰めのピクルス、缶詰フルーツ、缶詰スープ、ジャム、シリアル、焼き菓子、アイスクリーム、エナジードリンク、スナック、そしてコンビニのおにぎりなどにも使われています。
一見するとなんの害もなさそうに見える成分ですが、実はカルシウムの吸収も妨げることも研究で明らかになっています。異性化糖は、代謝調節不全、脂肪肝、糖尿病、コレステロールの上昇、その他多くの健康疾患に関連性があるといわれており、とにかく要注意成分です。
ではなぜ食品メーカーがこんなにも異性化糖を使用するのか?と疑問に思われますよね。答えはシンプル。砂糖に比べてずっと安いからです。今度スーパーマーケットでお買い物の際は、一見ヘルシーそうに見える食品であっても必ず食品ラベルをチェックすることをオススメします。例えばヨーグルトでも、異性化糖や人工甘味料で甘みをつけたものよりも、砂糖で甘みをつけたヨーグルトの方がまだ健康的です。(本当はプレーンヨーグルトに蜂蜜やアガベシロップ、メープルシロップで甘みをつける方がよりヘルシーですが。)
あなたの健康、免疫システム、そして美容のために異性化糖にはご注意を!
Lots of Love, Erica
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*異性化糖に関する過去の記事はこちら:
●太るだけでは済まされない!?記憶・代謝機能関連遺伝子損傷まで引き起こす、異性化糖は?https://bit.ly/3r9xuQU
●その一杯のドリンクのチョイスでリスク軽減!?砂糖の過剰摂取と乳がんの関係。https://bit.ly/30ZOfmL
●太るだけじゃない!老化も加速させる炭酸飲料 https://bit.ly/3l87AsO
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出典1:Douard, V., Patel, C., Lee, J., Tharabenjasin, P., Williams, E., Fritton, J. C., Sabbagh, Y., & Ferraris, R. P. (2014). Chronic high fructose intake reduces serum 1,25 (OH)2D3 levels in calcium-sufficient rodents. PloS one, 9(4), e93611. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0093611
出典2:Jones N, Blagih J, Zani F, Rees A, Hill DG, Jenkins BJ, Bull CJ, Moreira D, Bantan AIM, Cronin JG, Avancini D, Jones GW, Finlay DK, Vousden KH, Vincent EE, Thornton CA. Fructose reprogrammes glutamine-dependent oxidative metabolism to support LPS-induced inflammation. Nat Commun. 2021 Feb 22;12(1):1209. doi: 10.1038/s41467-021-21461-4. PMID: 33619282; PMCID: PMC7900179.
出典3:Wang Y, Qi W, Song G, et al. High-Fructose Diet Increases Inflammatory Cytokines and Alters Gut Microbiota Composition in Rats. Mediators of inflammation. 2020;2020:6672636-6672636. doi:10.1155/2020/6672636
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