私たちの体の中で最大の臓器はなんでしょうか? 答えは、そう、筋肉です。そして筋肉量は、歳を重ねるほどに、私たちのQuality of Life (生活の質)や寿命に大きく影響を与える要因のうちの1つです。
30歳を過ぎると、10年ごとに3〜8%程度の筋肉が減るといわれています。欧米式の食事やライフスタイルで生活をしている私たちの多くは、生涯のうちで約30〜40%もの筋肉量を失うことなります。この筋肉量と筋力の段階的な自然な喪失は、全ての原因による死亡率、そして糖尿病、心臓病、またはアルツハイマー病や認知症などの多くの慢性疾患や症状に関連しています。
筋肉量が減少するということは、上記以外でも私たちの健康と美容に影響を与えます。まず、筋肉にはインスリン受容体がたくさん含んでいることから、血糖バランスが悪化する可能性が高まります。また、筋肉はエネルギー生産の主要部位であるため、エネルギー低下が懸念されます。そして怪我や転倒といった危険度が上昇します。筋肉は代謝機能やホルモンの調整にも重要な器官なのです。十分な筋肉量を備えた上で運動で筋肉を収縮させると、強力な抗炎症作用を持つ”マイオカイン”と呼ばれる物質が分泌されます。みなさんご存知の通り、炎症は早期老化や全ての生活習慣病の原因となるものです。炎症を抑えることが、若々しい肌を保つ為にも大変重要です。
人生100年時代と言われていますが、長い人生をイキイキと健康に送るためには、長期に渡って筋肉量を増やしながら、またそれを維持していく必要があります。 筋肉量を増やすことを考えた時、まずは運動(とりわけレジスタンス運動やファンクショナルな体重負荷運動など)が、極めて重要であることは共通の認識かと思います。そして食事に関しては、たんぱく質やアミノ酸を積極的に摂ることを考える方が多いかもしれません。しかし、実は、たんぱく質やアミノ酸と同様に大切なのが、ほうれん草・小松菜・ブロッコリーなどの葉菜類、その他の野菜やフルーツ、ナッツ、豆類、植物性食品の摂取なのです。研究(出典1)によって、アルカリ性食品の摂取量多さと筋肉量の多さに関連性があることが判っています。
アメリカで3年間に渡って行われた別の研究(出典2)によると、フルーツや野菜などのカリウムが豊富な食事は、高齢の男女の食事酸負荷を減らし、筋肉量を維持に効果があることが判っています。カリウムを豊富に含むバナナ、アボカド、さつまいも、ジャガイモ、ほうれん草などは、強力なアルカリ性である重炭酸塩に変化することが知られています。その重炭酸塩は酸を中和し、筋肉量維持する働きがあります。
健康で美しく歳を重ねていく為には、レジスタンス運動などの運動を行いながら、アルカリ性の高い食品、つまりほうれん草・小松菜・ブロッコリー・ケールなどの葉葉類やアボカドやチアシード、バナナやシトラスフルーツなどのフルーツ、アーモンドなどのナッツ類などを、毎日の食事でたっぷりと摂取することが重要です。毎日の食卓に用意するのはなかなか難しいかもしれませんが、スーパーフードのパウダーで効果的に摂取するのも良いと思います。「インナービューティーアルカライングリーンズ」も16種の優れた食品を1杯のグリーンカクテルで簡単に摂取できます。もしよろしければぜひお試しになって見てください。
Lots of love, Erica
出典1:Welch, A. A., et al. 2013. A higher alkaline dietary load is associated with greater indexes of skeletal muscle mass in women. Osteoporosis International 24:1899-1908.
出典2: Dawson-Hughes, B., et al. 2008. Alkaline diets favor lean tissue mass in older adults. The American Journal of Clinical Nutrition 87(3):662-665.Dawson-Hughes, B. 2020. Acid-base balance of the diet—Implications for bone and muscle. European Journal of Clinical Nutrition 74:7-13.
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