前回は、マルチタスク(複数の作業を同時に行うこと)が私たちの脳に及ぼす悪影響についてお話しました。今日は、シングルタスク(ひとつのことに集中すること)でも短時間でより多くのことをこなしつつ、ストレスも解消し、もっと楽しく日々を過ごせるようになる秘訣を幾つかご紹介しましょう。
まず最初に、マルチタスクで作業をしないことに対する罪悪感を感じるのはやめましょう。シングルタスクは処理能力が低い人がやること、怠惰な人がやること、などといった正しくない固定観念を捨て去ることが大切です。もしこの記事を読んでいる間に携帯にメッセージや着信が入ったとしても、これを読み終えた後にチェックしてみましょう。「読む」ことに集中してみてください。
1. ひとつの小さな“チェンジ”から始めましょう。
Eメールをチェックしながらランチを食べたり、仕事の企画書を書きながら誰かとオンラインでチャットしたり、会議中にSNSをチェックしたりしていませんか?心当たりのある方も少なくないはずです。このように知らず知らずのうちに私たちはマルチタスクをしているのです。「集中すべきこと」をひとつ選び決め、取り組んでみましょう。あなたの努力はむくわれ、良い結果が出るはずです。
例えば、メール処理についてですが、多くの人が、Eメールまたはテキストメッセージを受信すると、すぐにチェックし返信するようにしているのではないでしょうか。それでは次々に届くメールの処理で一日が終わってしまいかねません。もし可能なら、1日の中でEメールのチェックに集中する時間を決めておくとよいでしょう。例えば、始業直後、お昼休憩中、午後、そして終業間際で1日4回とする、等です。初めは小さな事柄でも、段階的にマルチタスクを減らしていけば、別の業務に注ぐエネルギーも集中力も保持できるようになるはずです。
2. 周りの人たちにもシングルタスクを推進しましょう。
マルチタスクはまるで伝染病のように広がります。私たちは社会的な生物で、誰かが3つ4つの作業を同時に行っているのを見ると、ついその人と同じことをして、負けまいと張り合いたくなる性質を持っているようです。ですので、マルチタスク集団の中で、マルチタスクを避けることは難しいことなのです。そのような状況を和らげる為にも、友人と外食に出かけている時や家族と食事をする時は、その時間を中断させ兼ねない携帯電話は、極力持ち込まないようにしましょう。
ポケットに携帯電話を入れていたり、テーブルの上で画面を伏せているだけでは、持ち込んでいるのと同じです。なぜなら、メッセージを受信のバイブ振動やライト点滅で、すぐに気が散ってしまうからです。
3. 1日は「正しく」はじめましょう
便利な目覚まし時計機能を利用していたりで携帯電話をベッドの脇において寝ている人は少なくないはずです。ですが、携帯電話の電源を切るか寝室には持ち込まないことをオススメします。そうする事によって、目覚めてすぐにメールのチェックをしなくてはという義務感から解放されるでしょう。また寝室にコンピューターや携帯電話などの電子機器を持ち込むことで、気が散漫しストレスを招きます。それだけでなく、就寝前にコンピューターや携帯の明るい画面を見る事によって、睡眠不足に陥りかねません。起床したらすぐにメールチェックではなく、まずは深呼吸、軽いストレッチをして、感謝の気持ちで心を満たし、これから始まる1日をポジティブな思考を持ってスタートしましょう。
4. 散歩に出かけましょう
シングルタスクを習得する、そして気分を上げる最も良い方法の1つが、散歩です。ただし、携帯電話は置いていきましょう。散歩によって、あなたをすぐにハッピーにするホルモンのエンドロフィンとセロトニンが分泌されます。
あなたの気をそらす携帯を持たずに散歩をすれば、気づかずに見逃していたもの、、、変わりゆく季節の景色や匂いなどを感じ、ハッとするはずです。ほんの10分間の散歩でも十分に効果があります。朝に時間がなければ、お昼休みに少し歩いてみてください。近くに公園があるなら、そこで散歩すると尚良いですね。
引っ切り無しに届くEメール、次々と入るミーティングの予定、どんどんたまる未読の資料、、、。モバイル技術の進化によって、自宅でも休暇中でも、場所や時間など関係なくいつでも仕事が簡単に出来るようになりました。しかしそのようにオンオフの境界線が曖昧になった結果、仕事に圧倒されてしまい、ストレスで疲れ果ててしまうことになるのです。
あなたの身体と脳の健康のためにも、マルチタスクではなく、ひとつひとつのことに向かい集中し、それに最善をつくすべきであるということを覚えておいてください。
Lots of Love, Erica
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