鏡を見る度に「なんでこんなに目が小さいんだろう、、、」「もっと脚が細かったら、、、」「私の顔、絶対大きすぎ!!」など、毎日毎日繰り返し嫌いな部分だけに意識を集中して、ため息をついたりしていませんか?無意識のうちにしてしまっているその癖は、実は自分で自信を奪い取り、自己評価を下げるとても危険な思考なのです。
どの部分に意識を集中させるかで自信が持てるようになったり、逆に自己評価が下がったりするという興味深い研究があります(出典1)。まず、被験者の女性たちは下着姿の自分を眺め、身体の10箇所のパーツを一番好きな部分から順番にランキングします。その後、パソコンの画面で自分の身体の写真を35分間眺めるのですが、ひとつのグループでは自分が選んだ好きな部分第1位から第3位の3箇所がわざと目立つように映し出されています。もうひとつのグループでは、第8位から第10位、つまり自分が気に入っていないワースト3の箇所が目立つように映し出されています。すると、好きな部分に意識を集中させた人は自己評価が高くなり、嫌いな部分に意識を集中させた人は自己評価が下がったという結果が出ました。つまり、自分の好きな部分だけに意識を集中させれば、より自信を持つ事ができるのです。
でも、いきなり自分の長所にだけ意識を集中させましょうと言われても、なかなか難しいですよね。そこで、みなさんにも簡単に実行できるエクササイズを試してみていただきたいと思います。
以下の顔や身体の部位から、自分が好きだと思える部分を3つ選んでください。自分はそうは思っていなくとも、他の人から羨ましがられたり褒められたりする部分でもいいでしょう。日本の方は謙虚なので、「どれも自信がありません、、、」と言う人もいるかもしれませんが、自信がない中でもその程度はそれぞれ少しずつ違いますよね?「この部分ならちょっとはましかな〜」と思うものでもいいので、必ず3つ選んでください。
◆ 髪 Hair
◆ 眉毛 Eye brows
◆ まつ毛 Eye Lashes
◆ 目 Eyes
◆ 鼻 Nose
◆ 口 Mouth / Lips
◆ 歯 Teeth
◆ 肌 Skin
◆ 首 Neck
◆ 鎖骨 Collarbone
◆ 肩 Shoulders
◆ 腕 Arms
◆ 手 Hands
◆ 爪 Nails
◆ 胸 Breasts
◆ ウエスト Waist
◆ おしり Bottom
◆ 脚 Legs
◆ 足 Feet
◆ 背丈 Height
◆ その他 Other
そして、その3つを自分の潜在意識に繰り返し訴えかけるのです。鏡を見る度に自分に向かって「髪、目、脚。 髪、目、脚。 髪、目、脚。」という風に3回語りかけましょう。なるべく強く潜在意識に覚え込ませるためには、その3つのワードを書いて、寝室の枕元や洗面台の目につく場所に貼っておくのが効果的です。一人暮らしではないので、さすがにそれはちょっと、、、という人は、手帳の隅にメモする、文字を写真で撮って携帯の待ち受けにするのもいいでしょう。もし、日本語で「髪、目、脚」と書くのが恥ずかしいようであれば、英語で全部続けて「HAIREYESLEGS」と書いておけば、一見何の事だか分からないので、他の人に気付かれることもないでしょう。とにかく、自分の潜在意識に向けてひたすら強く、繰り返しメッセージを送ることがポイントです。
これを繰り返すことで、自分の嫌いな部分ばかりを見つめてしまうネガティブ思考をストップし、少しずつですが無意識のうちに自分に対する自信がついてきます。そして自然と、外見だけでなく、すべてのことに関して、前向きな考え方ができるようになり、ポジティブなオーラを発するようになるのです。これは決して精神論ではなく、語学やスポーツと同じく練習すれば誰でも上達できる、脳の”エクササイズ”なのです。ホントかな?と思ったアナタ、ぜひ試してみてください!
(出典1)Smeets, E., et al, “Bias for the (un)attractive self: on the role of attention in causing body (dis)satisfaction, Journal of Health Psychology, May 2011, vol. 30. No. 3, pp: 360-367. doi: 10.1037/a0022095.
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