みなさん、とっておきのダイエット法を知りたくありませんか?意外かもしれませんが、答えは朝の日光浴です。2014年4月に発表された研究(出典1)で、午後以降に日光を多く浴びた人より、 朝に多く浴びた人のほうが、BMI値が低いということが分かりました。(BMI=肥満度指数:体重(kg)÷身長(m)の2乗)日光を浴びる時間帯が早い人ほどBMI値が低く、その値は午後以降に浴びた人に比べて約20%も低かったのです。つまり、BMI値のこの20%の違いは、いつ日光を浴びるかによって決まり、その時間帯が代謝機能に直に影響を与えているということです。この研究で最も興味深かったのは、1日の摂取カロリー量、季節、就寝時間、睡眠時間、年齢に関係なく、朝の日光浴がBMI値を下げているという点でした。
スリムな人は早起きして外で運動をしていたからだと思っているかもしれませんが、この研究では、朝に日光を浴びた人ととそうでない人、両者に同じ運動メニューを行ってもらった上での結果です。スリムな体型を維持するには、朝の日光浴が大きな鍵となったということです。
それでは、太陽の光がどのように体重に影響するのでしょうか。私たちの体には、1日周期で新陳代謝を促し、食欲を調整して、体の調子を整える概日リズムという機能が備わっています。それは体内時計とも呼ばれ、太陽の光はその時計のねじを巻き、常に正常な状態にしてくれます。もし望ましい時間帯に十分な日光浴が出来ないと、体内時計のねじが巻かれずに代謝が下がり、体重増加にも繋がってしまうのです。体内時計が狂うと、代謝が低下して体重が増えたということは動物実験でも実証されています。(出典2)
これには、朝の太陽が発する青色光が影響しているのです。朝の太陽は青色光の量が多く、それは体内時計に最も強力に働きかけます。また、エネルギーを蓄え、新陳代謝を促し、セロトニン(心のバランスをとるホルモン)やメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌量を正常に保ってくれます。
BMI値を下げるのに最も効果的な数値は500ルクスで、500ルクス以上の光を浴びた人たちが最もスリムだという研究結果も出ています。(ルクスとは照度のことで、光源から物体表面に届く光の量を単位面積当たりで示します。)残念ながら、一般的な室内の照明ではこのレベルの光はなかなか作り出せません。
実は、代謝が落ちてしまうのは、起きるのが遅い人たちだけでなく、十分な明かりのない室内で生活している人たちにも同様のことが言えます。私たちの多くは十分な自然の光を浴びていない上に、十分な明るさではない室内環境が原因で、体が必要としている光を満足に浴びられていないのです。屋外の太陽の光は、曇った日の光でさえも1,000ルクスから数十万ルクスまであるのに対し、屋内では平均で200~300ルクスの光しかありません。
それでは最後に、朝の日光を効果的に浴びる方法をご紹介します。午前8時~12時の間に約20~30分間、太陽に当たるようにしてください。この時間帯が最もBMI値に影響します。朝に時間の余裕がある人は、ウォーキングや屋外での運動がオススメです。もし職場が近ければ、通勤方法を自転車や徒歩に変えたり、電車通勤の人は、手前の駅で降りてそこから歩くのもいいですね。ランチや休憩時間にはなるべく外に出るようにしてください。忙しくて外出できない場合は、できれば窓のそばで仕事をするようにしてください。それも難しい人は、せめて照明の明るい職場環境を作りましょう。
朝浴びる太陽の光が体内時計をリセットし調整してくれるからこそ、私たちは美と健康を保ち、理想的な体重を維持することが出来るのです。大切なことは、日光を浴びる量より浴びる時間帯だということを、しっかり覚えておいてください。
Wishing you all a wonderful Golden Week!
Lots of Love, Erica
(出典1) Reid, K. J., et al., “ Timing and Intensity of Light Correlate with Body Weight in Adults, PLoS ONE, April 2014, vol. 9, no. 4: e92251 DOI: 10.1371/journal.pone.0092251
(出典2) Society for Neuroscience. “Disruption Of Circadian Rhythms Affects Both Brain And Body, Mouse Study Finds.” ScienceDaily. ScienceDaily, 28 October 2009. <www.sciencedaily.com/releases/2009/10/091026225744.htm>. Arble, D. M., et al, “Circadian Disruption and Metabolic Disease: Findings from Animal Models,” Clinical Endocrinology & Metabolism, October 2010, vol. 24, no. 5, pp: 785-800.
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