お肌を若々しく、そして美しく保つために、ありとあらゆる努力をしていますか?健康的でバランスのとれた食事、十分な睡眠、定期的なリラクゼーション、そして入念なお肌のお手入れは十分ですか?これらの要素は美しく年齢を重ねるためにはどれも重要ですが、アンチエイジングの効果をさらに高める秘訣は、ここに「運動」を加えることです。
最近の興味深い研究(出典1)によると、運動をすることによって輝きのある若々しい肌を保つことができるだけでなく、年齢を重ねてからでも肌年齢を若返らせることができることが分かったのです。私たちの肌は年齢とともに変化し、シワやシミ、たるみなどにつながっていきます。これは、私たちのお肌の層に影響が出てくるからで、40歳頃から、表皮の一番外側の角質層が厚くなり始めます。角質層は実際に見たり触ったりすることができる部分で、主に”死んだ細胞”で構成されています。この角質層は年齢とともに、乾燥やカサつきが目立つようになり、厚みを増していきます。これと同時に、角質層の内側の真皮層は薄くなり始めます。弾力がなくなり、たるみやシワの原因になります。紫外線による肌へのダメージとは別に、こういった肌の変化は、単に時間の経過によるものなのです。
別の研究(出典2)によると、運動は真皮層が薄くなるのを防ぐとともに、角質層が厚くなるのを防ぎ、顕微鏡レベルで肌年齢が数十年若く見られるということです。このことは、マクマスター大学(カナダ)のターノポルスキー教授が、遺伝子組み換えによって老化を早めたマウスに行った実験で最初に発見されました。この研究で、回転かごで週に3回運動を行ったマウスと運動を行わなかったマウスを比べたところ、運動をしたマウスの体に運動の効果が見られ、その中でもとりわけ肌に大きな違いが確認されています。運動をしなかったマウスは毛が抜けたりグレーに変色した一方で、運動をしたマウスの毛は抜けずに、グレーに変色することもなかったどころか、むしろ毛の健康状態が良くなり、長く伸びたそうです。
研究者らはこの可能性を人間でも探るため、20歳から84歳までの男女のボランティアを集めました。約半数は週に少なくとも3時間、中程度か、より激しい運動を行い、残りの半数は週に1時間未満の運動を実施し、紫外線の影響が少ないお尻の皮膚を調査しました。調査の結果は、運動をしていた40歳以上の男女の角質層はより薄く健康的で、真皮層は厚かったのです。彼らの肌は、20~30代の人の肌に近く、この結果は運動をしていた65歳以上の対象者にも当てはまりました。
ただ、この皮膚の状態の差は、運動を始める以前の食生活や遺伝子、ライフスタイルの違いから来た可能性も考えられるため、運動を始める前にも対象者のお尻の皮膚サンプルを採取しました。対象者は65歳以上で、調査を始める時点での肌年齢は年齢相応でした。3ヶ月間、週2回、ジョギングやサイクリングといったやや激しい運動を30分間続け、3ヶ月後、皮膚サンプルを再び採取すると、たったの3ヶ月間で皮膚サンプルに大きな違いがあらわれたのです。なんと、肌は20~40代の人に近くなったそうです。運動をしただけで対象者の皮膚は実際の年齢よりも大幅に若返ったのです。
どうして運動にこのような強力なアンチエイジング効果があるのでしょうか。運動することによって、筋肉がマイオカインという物質を分泌し、血中のマイオカインが肌に影響を与えるからです。研究者らが”IL-15″と呼ばれるマイオカインの血中濃度を計ったところ、定期的に運動をしていた対象者の方が、運動をしていなかった対象者に比べ、50%も高かったということです。残念ながら、アンチエイジングサプリやアンチエイジング化粧品では同じ効果を期待することはできません。
この素晴らしいアンチエイジングの効果を得るのに、それほど多くの運動量が必要なわけではなく、また、運動を始めるのに遅過ぎるということはないのです。健康的でバランスのとれた食事とライフスタイルに、ぜひ運動という強力なツールを加えて、若々しい肌と身体を保ってください!
Lots of Love, Erica
(出典1)Mark Tarnopolsky, MD, PhD, “Exercise as a Countermeasure for Aging: From Mice to Humans” 23rd Annual Meeting of the American Medical Society for Sports Medicine (AMSSM), April 2014.
(出典2) Mark Tarnopolsky., M., et al, “Endurance exercise rescues progeroid aging and induces systemic mitochondrial rejuvenation in mtDNA mutator mice,” PNAS, 2011 ; doi:10.1073/pnas.1019581108
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