レストランで食事をする際、みなさんはいつも何から食べますか?イタリアンかフレンチであれば、まずはパンをちょっと食べたりしていませんか?しかし、その最初の一口があなたの血糖値に大きな影響を与えるのです。
今年の7月に発表された新しい研究(出典1)により、同じ食事内容であっても食べる順番によって血糖値の動きが大きく変わることが判りました。この研究では、被験者は同じ食事(鶏肉、野菜、サラダ、パン、オレンジジュース)を2回に分けてとりました。1回目は、まず高炭水化物のパンとオレンジジュースを、そのあと鶏肉と野菜をとりました。その1週間後(2回目の実験)には1回目とは逆の順序で食事をとります。この2回の食事はもちろん同じカロリー数で同じ栄養分です。しかし、この食べる順番の微妙な時間差で血糖値に大きな違いが生まれることがこの研究で明らかになったのです。
被験者の血糖値とインスリン値を朝食前、食後30分、60分、120分に測定したところ、炭水化物を最後に食べた時の血糖値は、最初に食べた時よりもはるかに低い(食後30分で29%減、60分で37%減、120分で17%減)という結果となりました。そして、インスリン値に関しては約半分にまで減少していました。炭水化物を最後に食べた被験者は、最初に食べた被験者と比較して半分しかインスリンを生成しなかったのです。インスリンの生成が少ないということは、より満腹感が保たれているということであり、また、脂肪が蓄積しにくく体重増加を防ぐことが出来るということなのです。
さて、ここで日本食の慣習の中に受け継がれている知恵についてちょっと思い出してみましょう。特に懐石料理や日本料理のコースなどで、最後に「シメ」として出されている食べ物はなんでしょうか?そう、ご飯や麺類ですよね。最初にお刺身や突き出し(タンパク質、野菜、豆腐など)が出され、主菜が供された後、最後に炭水化物が出てきます。この食べ方こそ、日本人が太らずに美しく歳を重ねられる理由のひとつであるとも考えられます。
次回食事へ出かける際には、お刺身、カルパッチョ、冷奴、枝豆、ナッツ類から食べ始めて、炭水化物は最後に食べる。この食べる順番こそが血糖値コントロールの鍵であり、美と健康の秘訣なのです。
Lots of Love, Erica
(出典1) Shukla, A. P., et al., “Food Order Has a Significant Impact on Postprandial Glucose and Insulin Levels, Diabetes Care, July 2015, vo. 38, no. 7, pp: 98-99.
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