あなたが将来も健康でいられるかどうかは、今現在のあなたの食生活で決まるといっても良いでしょう。糖尿病・心臓病・ガンなどの生活習慣病は長い歳月を経て発病するものです。「バランスの取れた健康的な食生活」は、最善の自己投資ともいえます。
「若いうちは何を食べても何とかなる、もっと歳をとってから気をつければ大丈夫だろう」などと過信したり楽観的に考えてしまいがちですが、アメリカ心臓協会が発表した最新の研究(出典1)によると、青年期における野菜・果物の摂取量は、高年期の心臓機能に大きな影響を与えることが明らかになりました。
この研究は、2506人の男女を対象に行われました。被験者が青年期であった1985年より20年の歳月をかけ、1日に約2000kcalの食事内容を詳細に記録調査した上で、被験者を下記のとおり大きく3グループに分類しました。
グループ1 女性は約9皿/日、男性は約7皿/日の野菜・果物を摂っていた人
グループ2 男女共約5.7~6皿分/日の野菜・果実を摂っていた人
グループ3 女性は約3.3皿/日、男性は約2.6皿/日の果物・野菜を摂っていた人
注)1皿の定義は約70g(大体お茶碗1杯分)
20年間に及ぶ研究の最後に、全被験者に冠動脈CTを行ったところ、調査開始当初から多くの野菜・果物を摂取していたグループ1は、摂取量がもっとも少ないグループ3と比較すると、プラークが26%も少ないという結果が出たのです。
プラークとは、血管の壁に付着したコレステロール、脂肪性物質、細胞の老廃物、カルシウム、血液凝固の働きをする繊維素フィブリンを指します。冠動脈CTでは、特にカルシウム値が重要な指標になります。血管壁にカルシウムが付着すると血液の流れ狭め、その結果、動脈硬化、そして将来的に心臓病、心臓発作等の発症リスクが高まるといわれています。この症状をアテローム性動脈硬化症と呼びます。通常、アテローム性動脈硬化症は、中年期後半から高年期(50代~60代)まで発症リスクは低いといわれています。
中年期を対象とした野菜・果物の摂取と心臓病の罹患リスク軽減の関連性について研究事例はありましたが、青年期での野菜・果物の摂取量が、高年期における心臓機能と血管の働きに、どのような影響を与えるかを調査したものは前例がなく、これが初めて発表された研究になります。
野菜・果物は、 強力な抗酸化物質として働くフィトケミカルが大変豊富に含まれており、ビタミン、ミネラル、食物繊維、またその他の栄養分と相乗的に働き、身体の酸化や炎症を予防し健康維持に大変役立ちます。
あなたがまだどんなに若くても、健康的な食生活を心がけるのに早過ぎるということはありません。私たちが日々食しているものは体に蓄積され、現在そして未来のあなたの健康につながります。
特に20代の青年期にいるみなさん、何を食するかによって、あなたの将来の健康状態が大きく変わるということを覚えておいてください。
Lots of Love, Erica
出典1: Miedema, M.D., et al., “The Association of Fruit and Vegetable Consumption During Early Adulthood With the Prevalence of Coronary Artery Calcium After 20 Years of Follow-up: The CARDIA Study,” Circulation, 2015, doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.114.012562
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