エリカがプレゼンターを務めるNHK WORLDの番組、「Medical Frontiers」。日本の最新医療から生活に渡るトピックを毎回掘り下げる番組です。

放送開始から9年、今年度で10年目になりました。166回目となる今回は、

〜Muse Cells: A New Stem Cell Treatment /ヒト細胞で難病を克服 Muse細胞の可能性〜　です。

iPS細胞治療を始め、再生医療の成果が日本から次々と発信されるなか、世界の研究者の注目を集めているのが、東北大学・出澤真里教授が、2007に発見した「Multilineage-differentiating Stress Enduring Cell」、通称「Muse細胞」です。これまでに、日本各地の大学で脳梗塞、脊髄損傷、新生児脳症、ALSなど７つの疾患にMuse細胞を使った臨床試験が行われている。 Muse細胞は、元々ヒトの体内にあり、傷ついた細胞を修復する能力を持ついわば「体内の総合メンテナンスを担う細胞」です。それを培養し、静脈から投与することで、傷ついた細胞が機能を取り戻すと考えられています。東北大学が行った脳梗塞患者35名に対する臨床試験では、「寝たきりに近く介助が必要」だった患者が、1年後、68.2%が「障害が全くない日常生活自立レベル」まで回復したと報告されています。「Muse細胞」の研究の最前線をレポートします。